「絵楽」授業について
スクールの1週間
子ども達は画用紙やキャンバスに、水彩、クレパス、アクリル絵の具といった色々な画材を使って絵を描いています。描くテーマは、カンボジア風景、動物、虫や植物など色々ですが、子ども達が生活している環境の中で見知っているカンボジアの田園風景や牛や家畜などの動物をよく描いています。
年齢相応の描き方で力強く、大胆に描く姿は絵を描くことの心から楽しんでいるように見えます。中には力が入りすぎ画用紙に穴を開けてしまう子もいますが、それも成長経験、思い切り、のびのびと描くことが大切と考えています。
カンボジア人通訳、アーティスト達の協力を得て、年間約200回程の美術授業を行なっております。
日曜日午前
アンコールクラウ村
スクールのあるシェムリアップ市内から車で約40分のところにアンコールクラウ村があります。アンコールクラウという地名は「アンコールワットの外」という意味です。
8時にスクールを出発し、9時から10時30分まで授業をします。壁のない、風通しの良い開放的な建物が教室です。生徒は2歳くらいから10歳前後の子ども達25~50名。中には小さな弟妹を連れてきて子守をしながら描く子もいます。小さな子たちはお兄ちゃんお姉ちゃんのそばで泣きもせず、騒がず授業が終わるまで待っています。しかし、残念なことですが、15,6歳になると家の働き手として家事や畑仕事の手伝いをしなければならず、授業を受けられなくなる子が多い現状です。
授業時間に村回りのアイスクリーム売りが来ますので、子ども達にはアイスクリームのおやつ時間があります。お兄ちゃんお姉ちゃんに連れられた小さい子達も一緒においしそうに食べ、こうした小さい子たちが少し大きくなると自然に絵を描き出します。
日曜日午後:
小さな美術スクール
午後からはスクールで、4、5歳児、小、中、高生約60名を、4コース(子どもクラス、水彩、デッサン、油彩)に分けての授業です。これだけの数になりますとスクールの使えるスペース全てを使っての授業となります。
コースは子ども達自身が選んでの授業です。小さいながらもデッサンを選ぶ子もおり、集中して描いてゆきます。
日曜日午後(第4日曜)ボスコカルチャー
センター
毎月の第4週日曜日に、トンレサップ湖の近くにあるボスコカルチャーセンターに、小さな美術スクールのカンボジア人美術講師のハイ・チューンとソッペアック・ドーンの二人が絵画指導に行っています。
カンボジアの文化にちなんだ絵や近くの田園風景など、カンボジアらしい作品を制作しています。
二人は年一回のクリスマス会などにも参加して、子ども達との交流を深めています。
(2020年コロナ拡散により中止)
月曜日
スタッフミーティング
この日は絵のクラスはありませんが、毎週月曜日朝、小さな美術スクールの美術講師の先生たちとのミーティングを行っています。
その週の美術授業について話したり、笠原からの特別美術授業があったり、国内外のアーティストとのワークショップを行うこともあります。
水曜日:オー村
小学6年生(毎週)
幼稚園(第3水曜)での出張美術授業
シェムリアップから車で約30分のオー村にある小学校にて、カンボジア人美術講師の3人(クンティア、ハイ、ソッペア、ソッペアックが交代)が毎週水曜日に出張美術授業を行っています。カンボジアの公立の小学校では、実際に絵の具を使って、美術を学べる環境はほとんどありません。また、美術を教えられる先生も育っていません。こちらの授業は、カンボジアを支援する個人の方からのご依頼を受けて、2015年から出張授業を開始しました。
毎月1回、第3週目の水曜日は、笠原が出向いて、幼稚部の子ども達に絵を教えています。元高校教師の笠原は、初めは
小さい子ども達に戸惑いましたが、今では慣れて、自由に楽しく描く子ども達の絵を楽しんでいます。
水曜日:(第2水曜日)
タットム・トロック小学校への出張美術授業
東京の国際支援団体「アジアの就学を助ける会(ASAP)」からの依頼を受けて、シェムリアップから車で約1時間の村にある2校の小学校にて出張美術授業を行っています。
月一回の授業ですが、子ども達はこの日を楽しみに待っているようです。
(2020年コロナ拡散による学校休校のため中止)
木曜日:
ホープ養護施設の子供達対象の美術授業
ホープ養護施設はスクールから少し離れた村にあります。小さな子ども達は自転車で来ることができない距離ですので毎回送迎して絵楽授業を行っております。また、絵の指導の傍ら「食糧は足りているか」尋ね、必要な食糧を養護施設に届けています。成長期の子ども達ですから、お腹を満たせるよう、安心して暮らしていけるように生活の支援も行っています。
土曜日午前
クルオサー・タマイへの出張美術授業
2020年2月から提携が始まったシェムリアップ市内にあるカンボジア政府が運営する盲聾学校クルオサー・タマイで耳の聞こえない子ども達に出張美術授業を行なっています。
最初の授業日、初めての美術の授業を心待ちしていたようです。車からおろす画材を率先して運んでくれ、体で喜びを表していました。
耳が聞こえない障害を持つ子ども達が少しでも絵を描く楽しさを感じてもらえるように、授業の方法の工夫をしながらここでの授業を続けていこうと思っています。
(2020年コロナ拡散による学校休校のため中止)
土曜日午後(隔週):
NCCC養護施設の子ども対象の美術授業
日本の国際協力団体が支援するシェムリアップ郊外にある養護施設(ニュー・チャイルド・ケア・センター)の子ども達対象の授業を行っています。
以前は、私達が彼らの施設まで出張授業で出向いていましたが、今は、子ども達は2台のテュクテュクに乗ってきます。
過去の別の州への出張美術授業
○赤丸が今までに訪問した州
World Assistance for Cambodia、ACC希望、KDDI財団や個人のサポーター様のご支援を受けて、過去にラタナキリ、プレアビヒア、オッデイメンチャイ、
バンテアイ・ミエンチェイ、バッタンバン、パイリン、プレイベン、スバイリエン、カンポット、ケップ等に出張授業へ伺っております。
また、KDDI財団の支援により、ミャンマーのヤンゴン郊外の小学校へも出張授業へ伺いました。